商流が深い案件を避ける方法
公開日:2026-07-04
結論
商流の深さは、契約書や見積書を確認すれば把握できます。すべての商流が深い案件を避けるべきとは言えませんが、単価と業務内容のバランスを判断する材料として、商流は契約前に確認しておくべき項目です。聞きづらいという理由で確認を後回しにすると、契約後に条件交渉がしにくくなります。
読者の悩み
客先常駐やSES契約で働いていると、自分の案件が何次請けなのか分からないまま稼働しているケースは珍しくありません。契約書に商流図が明記されていない場合、エンド企業から数えて何社を経由しているのか把握しづらいものです。
また、商流が深いとなぜ単価が下がるのかという仕組みを理解していないと、単価交渉の材料にもできません。加えて、営業担当やエージェント担当者に商流を尋ねることに気が引ける、という心理的なハードルもあります。契約関係に踏み込む質問だと感じ、関係を悪くしたくないという配慮が働くためです。
商流が深いとなぜ単価が下がるのか
商流とは、エンド企業(発注元)から実際に稼働するSEまでの契約経路のことを指します。エンド企業→元請け→一次請け→二次請け…という形で契約が連なるほど、商流は深くなります。
各社は契約を仲介する際に、マージン(手数料)を差し引いた金額で次の会社に再委託します。この差し引きが商流の各段階で発生するため、経由する会社数が増えるほど、最終的にSEに支払われる金額の元になる予算は目減りしていきます。
これは特定の会社が不当な利益を得ているという話ではなく、契約仲介にはリスク管理や営業活動のコストが伴うため、構造上避けられない部分もあります。ただし、経由段階が多いほど、同じ業務内容でも受け取れる単価が下がりやすいという傾向は理解しておく必要があります。
商流を確認する方法
商流を確認する方法はいくつかあります。
- 契約書(業務委託契約書・準委任契約書)に記載された契約当事者を確認する。契約書の当事者が実際の常駐先と一致しない場合、間に別の会社が入っている可能性がある
- 見積書や発注書に、経由会社数や手数料の記載があるか確認する。開示している会社もあれば、していない会社もある
- エージェント担当者に、契約主体と経由段階数を直接尋ねる。「エンド企業から何次請けになりますか」という聞き方であれば、業務上必要な確認として不自然ではない
- 現場の定例会議やキックオフで名刺交換をした際に、参加企業の立場を確認する
商流の開示について、詳細な図まで出してくれる会社もあれば、契約上の理由で一部しか開示できない会社もあります。開示の可否そのものも、その会社の姿勢を判断する材料になります。
商流が深い案件を避けるための行動
商流が深い案件を一律に避けるという判断よりも、契約前に商流を確認できるかどうかを基準にする方が実務的です。
契約前の質問に対して、経由段階数や契約構造を具体的に説明できる会社は、比較的商流管理がしっかりしている傾向があります。逆に、質問をはぐらかしたり、業務内容の説明に終始して契約構造の話を避けたりする場合は、注意して確認を続けた方がよいでしょう。
また、複数の窓口(エージェントや企業)から同じ案件を紹介された場合、条件を比較することで、どの経路が商流的に浅いかを推測できることもあります。案件内容によって判断が分かれるため、単価だけでなく業務内容や稼働条件も含めて総合的に比較すべきです。
次に取るべき行動
- 現在契約している契約書を見直し、契約当事者とエンド企業の関係を確認する
- 商流を尋ねる際の質問(経由段階数・契約構造)をあらかじめ用意しておく
- 複数のエージェントに登録し、商流開示への対応姿勢を比較する
- 現場の定例会議などで、実際の契約関係を把握できる機会を作る
- 本サイトの単価診断で、自分の経験やスキルに対して妥当な単価水準か目安を確認してみる